【小説】

■□ 三国一 7 □■




西暦184年 張角率いる太平道が各地で一斉に蜂起した。

彼らは目印として黄色い布を身につけた為・・・黄布賊と言われた。

世に言う、黄布の乱である。

その勢力は大きく・・・腐敗した都に其れを抑えるほどの力は無く・・・手を拱いていた。

そうして、各所で立て札が掲げられ、兵を募った。

時が来た・・・・。

俺達は、是を待っていた。黄巾賊討伐に義勇軍を立ち上げたのだ。

ある日、玄徳が大旦那に

「大旦那様・・・今、黄巾賊によって国が乱れ・・・罪も無い民が悲鳴を上げております・・・

我々はこの力を少しでも、国の為。民の為に使おうと・・・義勇軍を立ち上げようと思います」

と国の為・・・・民の為・・・義勇軍を立ち上げることを打ち明ける。

彼はその言葉に感銘を受けたのか・・・立ち上がり・・・玄徳の両肩を叩く。

「何と・・・・そうか・・・君達のような猛者・・・確かに大きな力に成ろう・・・是非、民の・・・国の為に黄布賊を討ってくれ」

其の時、働いた分の賃金だと大旦那こと馬商人・張世平から軍費・物資を得た。

過分に多い馬や金品は、心付けなのだろう。

ちょっと涙ぐんでしまう・・・。

関羽とは遭ってから2年後、俺達は、字(あだ名)で呼び合うまでの仲に成長していた。

鎧、武器など軍需物資を整える。

兵は大旦那の護衛隊五十騎と、一般の民から募った兵百五十騎の総勢ニ百騎

俺は激を飛ばし、兵を訓練する。

「よーし!御前達訓練は是で終わりだ良くやったな。」

其の声で倒れこむ男達。

「万の雑兵より五百の精鋭だ!御前には其れくらいになってもうぞ」

俺は手に腰を据えて蛇矛を肩に背負う。

五十名の護衛隊に各三人づつ指導させる。

勿論、護衛隊は俺の愛情の篭った訓練をこなし、ある程度の猛者になっていると自負していた。

其の間に雲長には幽州タク郡の太守に義勇軍を連れて行く手はずを整えて貰っている。

出発の用意も出来たので、俺達は動き出した。




幽州タク郡に着くと、太守の劉エンに歓迎し迎えられる。

「いや、ありがたい、何卒宜しくお願いいたす」

出てきた人物は玄徳と握手を交わす。

たまに思うんだが、玄徳は外の時は、君主の様に成るようだ。

目の力は強く、眉も、口もキリリとなる。

俺達は早速、太守の指示で、5万の黄巾賊の居る青州の大興山と対面する事となる。

山肌に陣を取った敵、地の利は向こうが上のようだ。

対する俺達は、援軍に太守が付けてくれた人数は3百騎、自軍の兵とあわせ5百騎

然し、此処で怯んでいては、この先やっていけるはずは無い。

「おう、そのまま行くぞ」

俺は玄徳に聞く。

「うん、敵将が出て、其れを殺せば烏合の衆だから・・・」

「出撃だ!」

と間髪入れず雲長が叫ぶ。

五百騎を五万の敵兵の間近まで潜ませ、一気に太鼓を鳴らし開戦させる。

向こうは、俺達を数の少なく装備も軽い雑兵と甘く見た様だ、敵将が勇んで出てくる。

一番弱そうな、玄徳を狙ったようだ。

「そうはさせねえぞ!」

俺は躍り出ると、蛇矛を一閃させる。

血飛沫を上げ倒れた其れ。

其の光景を見たもう一人の敵将が顔を怒りに染めながら向かってくる。

「よくも!」

と叫びながら。

雲長は馬を悠然と前に出す。

「死に急ぐか」

といい様一閃。刃の上に頭が乗る。

そして、五万の兵は烏合の衆に格下げしたのだった。

こっそり、敵の兵糧や金品を頂いたのは内緒である。




「急遽、青州の城から援軍要請の旨が来てな。今回の功績を見込んで、

総大将一名に兵五千名で行くのだが・・・」

「勿論、慶んで我々も向かいましょう」

玄徳は即答える、休む暇なく俺達は青州の城へ向かう。

敵は手ごわかった。

総大将と話し合い、千騎づつ二手に伏兵させ、残りの三千で誘い込もうという策を考える。

けど、件のデキスギ君バインダー、兵法まで網羅してるって・・・・

勿論彼の資料を基にしたのは言うまでも無い。

銅鑼を鳴らし戦が始まる。

其の音は遠い。

俺達は息を殺し、潜む。

まだだ・・・・まだだ・・・・敵の兵が過ぎる。

見張りの兵が旗を振る。

来た!

瞬間、銅鑼が鳴り、雄叫びを上げ両の茂みから雪崩れ込む。

俺は向かってくる剣を弾き、一閃させる、何人かが倒れ、血飛沫が上がる。

雲長が居る付近だろうか、やはり其処は血飛沫の壁が出来ていた。

玄徳は向かってくる敵を凌いでいる、問題はなさそうだ。

無心で、突き、払い、血飛沫を浴びる。

気づくと夕日が顔を焼く・・・・。

赤いのは夕日ではなく血・・・・辺りは血の海だった。

敵兵は見るも無残な状況だった。

「張の親分顔が血だらけですぜ・・・」

范彊が懐から俺に白い布を渡す・・・・・一瞬躊躇する。

「あんがと・・・」

まぁ、イイヤツなんだよ・・・・・

気づくと奴の顔も血みどろだった。

目に入らない程度拭くと、投げ返す。

「御前も拭いておけ、其れ、半分しかつかってねぇから」

奴は驚いたように目を丸くし、満面の笑みで返す。

俺達は夜も近いので、青州の城に入った。






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