【小説】

■□ 三国一 2 □■




俺達は、死んだ劉備の遺言を守ろうと、彼の家に行く。

それは、余り裕福そうではない質素な家だった。近くにはあの有名な桑の巨木が有る。

俺達は、中をうかがっていた・・・・

「あら、お帰りなさい。玄徳遅かったわね。その方はお客様ですか?」

背後から現れた年配の女性は玄を劉備と思っているようだ。

親ですら間違う程似ているのか、しかし誤解は早めに解かねばと俺は口を出す。

「あ、・・・いや、違います」

「そう、違うんだ母さん、・・・・この張飛って人と一緒に武勲を上げようと思うんだ」

「あら・・・・・・・・」

ちょっと!?玄!何すごい嘘ついてるの??!

「何時の間にか一人前になってたのね・・・、あんなやんちゃだった子が・・・・・でも、其の前に話さなきゃいけない事があります・・・・」

彼女は俺達を椅子に座らせた。真剣な眼差しを注ぐ。

「貴方は前漢の中山靖王劉勝の末裔なのですよ」

・・・・・・有名な話ですね。

「・・・・知りませんでした。俺に疎の様な血が流れていようとは・・・・」

玄何しようとしてるんだ?

「この宝剣は其の証、何かの役に立つ日が来ましょう。さぁ、・・・・・」

桐の箱に大事にしまわれたものを玄の手に渡す。

人を騙すこと是詐欺って言わなかったっけ・・・・

「私が親として出来ることと言ったら其れぐらいしか無いけれど・・・・

すまない、御前の父さえ生きていればもっと裕福にできたのに・・・」

「母さん十分です・・・・俺を立派に育ててくれたじゃありませんか」

ヒシと抱き締める。泣き崩れる彼女はとても感動しているようだ・・・・

本人は山中で埋まってますよ!

オレオレ詐欺も真っ青な感じです。

「そうと決まれば、我々は今夜にでも街に出ますので・・・。」

「そうね、男子たるもの決めたら最後まで進みなさい・・・・・」

涙を拭い彼女は、見送りをしようとする。

「これを・・・お金とお米は置いて行きます。母さん体に気をつけて・・・・」

劉備本人に渡された金と米を彼女に渡す。

「こんなに・・・・貴方のほうが今後必要になるのだからもっておい来なさい・・・」

「大丈夫、俺達はもう次に身を寄せるところが決まってるから・・・」

そういって彼女の手の中に押し込んだ。不安そうな顔を向けられるが玄は笑顔で答えた。

「馬商人の護衛をして、腕の有る人間を探そうかと思ってる。」

「そう、それなら安心ね・・・・・・、頑張りなさい。あと体にはくれぐれも気をつけてね!!」

意外にすんなり行きましたが・・・・・・・・

「母さんも体に気をつけてー!」

彼女は桑の巨木の下まで見送ってくれた。俺達の姿が見えなくなるまで手を振り続けている・・・・・

「いやー、意外とうまくいけた」

あははははwっておい・・・!

「どうするんだよ、高そうな剣もらっちゃって!?それに劉備死んでんじゃん!」

「そうだよ?・・・・だから・・・・俺と益っちが代わりやらないと・・・・そうじゃないと歴史変わっちゃうよ?」

「だからって、こんな!?歴史代わるって言ったって遠い昔のことだろ?俺たちには関係ないだろ?」

「・・・・・そうでもないかもよ?反対に歴史の根元だけに大きく変わる可能性・・・例えば俺達の生死までも・・・」

「・・・・・」

「ってのは大義名分で、チャンスじゃん世界征服の!」

そこですか!嗚呼・・・・見捨てれない俺の思いが憎い・・・・・・

「それに、実際の若いとはいえ張飛に勝っちゃった益っち、最強を目指してみたくは無い?」

ニヤニヤ・・・悪魔の微笑み・・・・・・う・・・・しかし其れは甘い罠、俺の弱点を的確に突いてる。

じつは中国武術の功夫をちっちゃい頃からやっている・・・・・・だから張飛みたいなのに勝ったのかもしれないが・・・

「昔、中国全国武術大会でてたっていったもんね」

そう、まぁ、総合準優勝だったし・・・・・・少年組しか出なかった。

それのせいで、親爺から見放されたんだが・・・・・。

最強を目指し各地を転々とした親爺に俺は付いて行ってたんだよな・・・・昔。

でも、御前は未だ未熟だといわれ、そのまま爺ちゃんの家に置き去りにされんだ、

親爺にたまに勝ってはいたんだけどな・・・・・。

「って訳で、今日から俺は劉備玄徳で、益っちは張飛益徳ね!宜しく!」

って!了承してないし!

俺はじっと玄を見る。ニコニコと笑う笑顔・・・嗚呼、惚れた弱みですハイ・・・

溜息を一つついて俺は手を差し伸べ握手する・・・

「宜しくな玄徳・・・」

「おうw益徳!」




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