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■□ 三国一 14 □■ 首都洛陽、民が凱旋に沸く中。劉備の軍は盧植中郎将の私軍として城内に居た。 俺達は盧植中郎将の私邸の一室に呼ばれ待機していた。 上座には盧植中郎将が髭をよりながら・・・口を開く。 「話は聞いたぞ。玄徳よ、君の功績は大きい。私の下に入らないでも問題は無いと思うのだが?」 言われてみればそうかもしれない・・・・然し世渡りが上手く出来たら・・・という注訳が付くのを彼は気付いてるのだろうか? 其の言葉に玄徳は膝を付き礼をしながら穏やかな口調で話す。 「いえ、先生には未だ学ぶべきが多く、その為にも私は先生の元で私軍として居たいのです」 「そうか・・・・まぁ此処では我が家と思って寛いでくれ」 ニコニコと人の良い笑いを浮かべる盧植中郎将。本当良い人なんだろう。 彼の言葉に甘え、俺達の軍は此処でご厄介になる事となる。 ある時だった・・・朝廷の恩賞の通達が各将軍に出る・・・・。 其の中・・・彼は中郎将の侭で恩賞は受け取らなかった。 何故かと聞いてみると・・・彼は人の良い笑みを浮かべ、 「何、後が怖いのでな」と言ったのだった。 至極最もな話だ。 恩賞を受ければ、是即ち賄賂を求められる・・・・。 今は此処に居るのが良いのかもしれない。 案の定、其れを求められた皇甫嵩と朱シュン。しかも、要求を一蹴した様で役職を剥がされ、今は名も聞かない。 来るべき時まで、兵を訓練し、蓄える。 3人ともにここに居るならばと、先生の教えを受ける事となった。 政治、法、兵法、・・・ 雲長は目上の者に厳し過ぎる事を諌められ。 劉備は貪欲に吸収していた。 俺は・・・というと・・・・ 先生は溜息一つ・・・・ 「兵法はすんなりと学ぶが・・・他が」 そう、兵法はすんなりと頭に入るのだが・・・・他が、上手く行かないで居た。 俺、涙目。学校ですら眠ってたのに・・・。 そんな有るときだった。 国の綻びは所々に出ているのか・・・各地では黄巾賊の鎮圧後も、各地で乱が起きていた。 其れを、各地の諸侯達が其れを鎮圧する日々。 ある時、盧植中郎将は我々を呼んだ。 その理由は、最近起こった、漁陽の乱の件でだった。 「幽州の牧・劉虞が鎮圧に加わるのだが、君達は十分教えるべきを教えた。 此処で一つ、軍功を上げ。しかとした地位に座って欲しいのだ」 にこやかに笑う、老将。 「先生の元で学んだこの日々は掛け替えの無いもので御座います・・・ 地位や軍功には興味はありませぬが、、幽州の牧・劉虞も私と同じ遠い一族の者で御座います故、手助けに参りたいと思います」 礼をしながらそう言う玄徳は、先生の学のお蔭か・・・少し精悍さを増した様だった。 惚れ惚れと其れを見る先生・・・ 「御前らしいな・・・然し・・・張飛なのだが・・・」と語尾を濁す・・・。 目線が一手に集中・・・そう・・・俺に。 申し訳なさそうに先生は言う・・・ 「もう・・・ちと、勉学を教えたいと思うのだが・・・・兵法以外が全く教え切れておらん・・・」 愕然とする俺。 居残り・・・・此処でも・・・・。 「いえ、私めも先生の身辺警護の為、一人置いて以降と思ってました故・・・」 玄徳、頭を垂れる俺を見て苦笑い。 眩暈がしそうだ。 出立の日、俺は城外で彼らを見送る。 うう・・・悲しい・・・あれから情けない気持ちで一杯だった・・・。 范彊が其れを見て声を掛ける。 「張の親分と別れるのは大変辛いですが・・・親分の分も俺が働いてきますんで・・・」 范彊は目に涙を浮かべている。 俺は苦笑いをして頭を撫でてやる。 「玄徳と雲長のこと、本当に頼むな・・・御前も怪我とか病気すんなよ・・・」 俺は気が滅入りそうになる気分を隠すため至極明るく振舞って言ってやる。 「親分!」と叫ぶと ガッシリと抱擁・・・・暑苦しい・・・奴の髭が首に掛かりチクチクとする・・・。 俺は、其れを引き剥がし、玄徳と雲長に向き直る。 「勉強・・・・頑張ってね・・・・漢文。大変だけど・・・これから役に立つと思うから・・・」 「おう・・・」 ニコリと笑う彼に、俺の心が熱くなる。 うぅ、惚れたもんの負けだよ・・・ 玄徳をギュと抱き締める。 くそっ!馬鹿な俺の頭が憎い。 絶対に勉強を頑張ってギャフンと言わせてやる・・・そう心に誓った。 其の時、背後から気配がした。 気がつくと、玄徳との抱擁を引き剥がされていた俺。 「ちょ!なんだよ!」 予想外の其れに慌てる・・・。 俺は。感傷に浸っていたのに・・・・誰だ? 見てみると、雲長が背後から抱き締めていた。 そして寄りかかってくる・・・重いな・・・・ 「・・・直ぐ戻ってくる・・・御前は、ちゃんと遣る事をやっておけ」 低くて響きのいい声が振ってくる・・・ へいへい・・・ 俺の頭に鼻を付けられる。・・・汗臭いってことか? 一際、強く抱き締められ、次の瞬間放される。 「玄徳の事よろしく頼むな・・・。・・・同じ戦場で戦いたかった・・・・その・・・・・怪我すんなよ」 肩に拳を軽く当ててやる。 苦笑いをして受ける雲長。 そして、玄徳と雲長率いる1500騎が進み出す。 戻 TOP 次 |