【小説】

■□ 大鬼氏の憂鬱 6 □■




「ぎゃああああああああああああああああああああああ!」

俺は起き上がる。

すると、そこは病室だった・・・・・・・・

もう外は暗く、人の気配もなかった。

深く溜息、夢!?

あんな生々しい物が!?

俺、そっちのけがあったのか・・・!?

想像してみてゾッとする。

一瞬不安になり股間を覗き込む・・・・・・・夢精・・・・・・してました・・

嗚呼、多分あれだ、欲求不満だったんだキット・・・・・

俺は、この状況を処理すべく、ベッドを後にしたのだった。

うう・・・何が悲しくて洗面でこんな事を・・・

シミの付いたパンツを忌々しい夢と共に洗い流す。

このやろう!このやろう!・・・・・・・・

一息つく、もうこれでもかというくらい洗ったし・・・・・

病室に戻り、再度ベッドに入り横になる。

うとうととし掛けたときだった、ドアがゆっくりと開いて誰かが入ってくる。

薄目を開け窓を見る。看護婦だ、それもとびきりの美人だ、消灯の見回りなのだろうか・・・・

此方に静かに向かってくる。

しかし、嬉しいことが起きた。

ギシリと音がしてその看護婦がベッドに乗ってきたのだ、俺を跨いでいる。

欲情的な甘い声で

「大鬼さん・・・・・私」

その気なら早い、俺もその細い腰に手をかけ、ボリュームのある乳房をもみしだこうとする。

ポロリ・・・・・・ん?なにか大きいものが落ちた・・・・・

月明かりを頼りに目を凝らす、でかい乳の詰め物だった・・・

・・・・ふと、問題の看護婦を見る・・・・・・胸が無い!?

男のように・・・・・・・・・・・って男か!?

奴は小さく舌打ちして足のホルダーから拳銃を抜き取り

俺に向けた。

「ばれたら仕方ない、一緒に来てもらおうか」

こんなのばっかり!神様のばかやろおおおおおおおおおおおおおおおお!

叫びを表すように、俺は上に乗る気持ち悪いオカマを投げ捨てる!

「ガシャーン」窓の割れる音、「ドンッ!」少し遅れて地面に落ちた音。

流石に、この音で俺の護衛が気づいたのか、ドアを派手に開けて入ってくる。

「若頭!?大丈夫ですか?!」

「ヴぁーーーーーーー!、おい!女の居る店行くぞ!!!!!」

「ちょ!?若頭?!怪我なさってるんですから!大人しくなさってください」

護衛はそんなことを言う・・・・・。俺は青筋を立てながらそいつのネクタイを持ち引き寄せる

口で笑いながら言ってやる、目は笑ってなかったが・・・・・・・

「おい・・・・・・俺が行くっていったら。行くんだよ」

「ひぃ!は・・・はい!」

三下だろう・・・青ざめた顔で叫ぶ。



「きゃぁーーーーーーー、大鬼さぁん!お久し振りですぅ!」

頭と反比例する胸のデカさ。俺の腕にそれを誇示するように当てられる。

悪い気はしない。・・・というか大好きな方だ。

酒をつがせ、俺はタバコを吸い込む

はぁーーーーーーーそうだよ、これが俺なんだよ・・・・・

夜の匂い、女、タバコ、酒。

俺は思う存分のんで女をお持ち帰りしようと、カウンターを出たときだった。

「探しましたよ若頭、・・・・病院からぬけるなんで・・・・」

急いで来たのだろう、息を切らした崎島だった。

俺はギロリと背後に控えていた護衛を睨む。青ざめた顔だったが、顔を逸らされる、ちぃ!アイツ言ったな・・

「そんなことより、病院に変なのが来たぞ。どうなってんだ?」

オカマの看護婦の件だ。恐らく、情報が漏れてる。

これなら、そこら辺をうろついてたほうが良い。

「・・・・・今調査中です、少なくとも今夜は大人しくしてください」

「・・・・・・わかった・・・」

俺はやつに誘導されて店を出る。

「プルルル、プルルル、プルルル」

すると俺の携帯が鳴る。

何気なく其れを取る。

「親爺が撃たれた!」

組長の補佐の佐々木だった・・・・

「はぁ?」

「裏切りだ、崎島が黒崎に俺達を売りやがった!」

佐々木は叫びながら銃声が響き、次の瞬間携帯が途切れる。

「佐々木!?おい!親爺は!?おい!!!!!」

俺の背中に固い金属質なものが当たる。

「大人しくしてください。」

「きゃーーーーーーーーー!」

連れの女が叫ぶ、嗚呼、うるせえ・・・

軽い爆竹のような音が二回響く・・・・・・

女が血をだして倒れる・・・・・・せっかく満喫しようとおもったのに・・・

生ゴミになった物を部下達が運ぶ・・・・・

車のドアを開けられ入るように銃で示される。

ノロノロとはいると、車に押し込められ、夜の街を走り出す。

「おい、崎島・・・・何故裏切った?」

「・・・・・」

反応が無い、まぁもう直ぐ見せしめに殺されるのだろう。

言っても仕方ないと踏んだようだ。

車は人目の無いマンション街の一つに着いた様だ。

地下の車路にそのまま吸い込まれるように入っていく。

「出てください」

俺は言うとおりに出て、奴の誘導に従ってエレベータに乗り込む。

一番人目のつかない最上階の角の部屋・・・・・・

鍵を開け、其処に押し込むように入れられる。

そして背後から殴られ・・・俺は気を失った。




「・・・ってぇ・・・・」

頭の痛みで目を覚ます。

気が付いたときはベッドに横たえられていた。両手は手錠で留められてたが・・・

押さえて怪我の具合を確認してみる、嗚呼・・・・コブができてる・・・

思わず舌打ちをする、目の前には崎島が座っていた。椅子の背もたれを前にして

こちらを伺うように・・・腕を組み顔を覗かせる。

「なぁ、こんなことやって何の意味がある?」

俺は静かに問う。まぁこいつが俺の下に居ること自体不自然だったわけだが、これは最悪だ。

「・・・人望があって、男気もあり、色んな人から好かれている、男の中の男と自他ともに認める貴方が・・・・」

何を言ってるのか・・・会話にはなってないようだが・・・

「そんな人間が、もし男に組み敷かれたら、どうなるんでしょうかね・・・・?」

・・・・・・・・・はぁ?

「ちょっとまてーーーーーーーーーー、気でも狂ったのか!?正気に戻れ!!!」

全力で俺は暴れるが、頑丈な手錠で繋がれていてびくともしない。

奴が近づき、背ける顔を強引に引き寄せ、唇を奪う。

「っつぅ・・・」

・・・・唇をかんでやった、しかし、奴はそのまま俺の上に乗り、腹、頭と抉る様に殴る。

「グハッ!」

いてぇ・・・・・傷口も開いたらしく、肩が熱い・・・・・

口の中は鉄の味が充満していた。

グッタリとした俺に止めとばかりに傷口を掴まれる・・・・

「がぁ!!!」

痛みの余り声が出せなかった。

それを悠然とみた奴は顔を近づけ、低く言ったのだ。

「シャブ漬にされたくなかったら、大人しくしててください」

そして俺の血の混じった唇に唇を重ね、舌を蹂躙する。

混乱する頭の中、むせ返るような雄の匂い・・・・・・・引きちぎられる服。

唾を吐きかけただけのそこに、征服するための武器が宛がわれる・・・・・・

「あああああああああ!」

叫びが漏れる、只の暴力だ・・・・・是は・・・・・・。

血で股が濡れる・・・・・・・鉄臭さと湿った音・・・・

内臓を裏返したような錯覚に眩暈がした・・・・・・・・・・

奴は痛めつけるように腰を打ち付ける、其のたびにくぐもった声が漏れる。

何も言わず続けられるそれ、俺は痛いだけだ。

奴は限界が近いのだろうか動きが早くなる。

何の前触れも無く、唇を噛まれる。

痛みと同時に、腹の中に熱い物が広がる・・・・・。

其れと同時に俺はブラックアウトした。




ふと、頭の奥で声がした、其れはとても小さな声だったが。

『名を呼べ・・・・』と確かに言っていた。

理性では理解できないものだったが、本能はなんとなく解っていた。

是をいってしまうと、もう二度と戻れないことも。

親爺も死んじまった・・・・・もういいか・・・・・

『名を呼べ・・・・・・』

再度呼ばれる

嗚呼解ったよ、少し待て。

俺は、目を薄ボンヤリとあける。

蹂躙した奴は俺の目の前だ、気持ち良さそうに眠ってやがる。

俺は奴に唇に軽く触れるだけのキスをした。

じゃあな・・・・・、上を目指せよ、此処までやったんだ。

目を閉じ、一息つく。あー、タバコすいてぇ・・・・

『名を・・・・・・・』

わかったよ・・・・・・・・呼んでやる・・・・・・・・・・

それは、最初から頭にあった。只言わなかったモノ


「×××××・×××××」


とたん、俺は其処から消えた・・・・・・・・・・・・・

残ったのは血だらけのベッドに空の手錠だった




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