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■□ 獣伍親爺漂流記 9 □■ 俺が気づいたときには其処は寝室のベッドだった。 「起きたかブラッド・・・・・・・・・・・・・・・」 奴はいつもと変わらない声音で話し、手が顔に伸びる 俺の唇を悠然と撫でると同時に鋭い痛みが走る、どうやら唇を切ったらしい。 「・・・・・・・どういうことなんだ?」 再度同じ問いを投げかける。 奴はゆっくりとした動作で俺の寝ているベッドに腰掛けると 「俺はロシアのスパイだったんだよ・・・・・・・」 逆行で表情の見えない奴は冷たい口調で言ったのだった。 「そんな・・・ガザエフ司令官は・・・・・・・・」 手も足も拘束具によって抑えられている。 俺は信じられなかった・・・・・・・・ 「俺のオヤジだ」 そうガザエフ司令官はノエルの父親だった・・・・・・・・ 「それはブラッドお前も同じだろ・・・・・」 そう俺も、異母兄弟ではあったが早くに母をなくしたので実の兄弟の様な関係だったのだ。 「明日には、お前をロシアの研究施設に送る手筈になってる」 収容施設ではなく何故研究施設なのか・・・?俺は何か重要なことを知っているらしい ノエルから眼を離せずにいた。 「そんなとこに連れてってどうするつもりだ?」 普通に考えて実験マウスにでもする程度のことしか思いつかない。 ノエルは俺の頭に手を当て何時もの様に撫でる 「お前は、兵器クローンってのを知ってるか?」 YESかNOといわれれは、YESではあった。 「確か数年前ロシアで計画されてた奴だったよな・・・・」 確かそれは計画段階で事故が起こり計画は断念されたと聞いていたが・・・ 「そう、実際の兵士が20%の筋肉と3%の脳しか使えないとする それを100%使えるように遺伝子操作した人間のことだ」 なにか冷たい汗が俺の背中を伝っていくようだ・・・・・・・ 「その兵器クローンがお前なんだよ・・・・・・・・・」 「うそだ!俺には・・・・・かぁさんがちゃんといるじゃないか・・・」 そう俺にはちゃんと、母親がいるんだからそれは信じられないはなしだった。 「まぁ、厳密にはお前のお袋さんから兵器クローンなわけだが・・・」 何を言ってるのだろう・・・・・・・・ 確かに、俺とかぁさんは瓜二つなほどに似ていた。赤い髪に赤い眼・・・・・・・・ 「遺伝子操作で遺伝子はそのまま親から子へと遺伝するようになってる」 要はお前は、母親のクローンなんだよ・・・・・・と 俺が生きてきた事が否定された気がした。 あまりの事に呆然とし、ふと気づくと奴の顔が目の前にまで来ていた。 クチュ・・・・と音を立て唇や舌を蹂躙される・・・・ 俺はされるがままになっていた。 すると何か口移しで何かを飲まされる。なにかの催眠薬なのだろう 意識が朦朧としてくる・・・・・・・・・ 「お前は俺から逃げろ・・・・・・」 最後にノエルはそういっていた。 捕まったら最後、ロシアの研究施設の培養液で一生過ごす身になるんだろう・・・・・・・ 夜更けごろ俺は目が覚めた。手と足の枷は外されていた。 何かの施設なのか俺が部屋から出ると警報と追っ手、ピストルが迫ってきた。 俺は夢中で逃げた・・・・・・逃げて逃げて・・・・・・・ 気づいたときには、知らない農村にいた。 俺はその後、ノエルから逃げるように各地を転々とし、名前や髪、眼の色すら変えて 生きてきた。 風の便りに、その後ノエルは各地の戦争に火種を起こし、バルカン半島に水爆を落としたと聞いた。 戻 TOP 次 |