【小説】

■□ 獣伍親爺漂流記 12 □■




機械的な音の後、ベッドと俺を結び付けていた物が外される。

俺は、予想外の行動に出た博士の顔を、まじまじと見る。

「君が僕の傍に居てくれるんだったら、それは必要ないだろ?」

やさしい笑み・・・・・・・、もしかしたら俺の中のエリーなのかもしれない、暖かいものが胸に広がる。

奴は俺を抱き上げ、膝の上に乗せる。

表情を確かめるかのように、互いに見つめあい口付ける。

俺の気持ちが少しでも伝わるように・・・・俺は懸命に舌を絡ませ、答える。

唾液が口の端から溢れ出す、経験値が高いのか奴の口付けは巧みで、俺の息を上がらせる。

その間にも、奴は俺の服を難なく脱がせ、手が体の敏感な場所を回る。

耳の後ろ、首筋、鎖骨、胸、脇腹。

手を追ってく口付け、俺は執拗な愛撫に根を上げる。

互いの雄は、既に頭を擡げ、焦らされる様な感覚に悲鳴を上げていた。

「ブラッド・・・・僕の名前を・・・・・」

口に指を当て、なぞれれる。執拗な口付けで俺の唇は赤く濡れていた。

「アーサー・・・愛してる」

其れは合図のようだった、アーサーは俺を貪る様に口付けると。

下肢に手を伸ばし、そのまま俺の中に突き入れた。鈍い痛みと独特の軋みを伴いながら・・・・・・。

しかしそれは、前への愛撫により、直ぐに快感に変わっていく。

「はぁっ・・・・」

溺れる・・・・・そんな気がして俺は奴の肩に爪を立てる。

すると窒息するかと思うほど抱き締められ、手が背中を弄る。

お互いの額を合わせる、熱を測るように・・・・・・・思いを伝えるかのように。

ゆっくり、その感覚を確認するように動く・・・・・・・。

言葉をなくした獣の様に、喘ぎ声、息遣いだけが其の部屋に充満する・・・・・・・。

互いの限界が近い、動き、声は波のように大きくなっていく・・・・・・・・・・。

「ハァハァ!!・・・っ!!!」

俺の中と前で飛沫を上げる・・・・、余韻に浸るように、鼻を合わせ軽い口付けを続ける。

気だるい余韻を残し俺は横たわりそのまま眠りに沈んだのだった。




夢でみた、眼鏡を掛けた5歳くらいの少年。

彼は俺に向かって手を差し伸べてきた。

その手を握り、頭を撫でてやる。

逆行で見えなかったが、其の子は笑った気がした・・・・・・。




明るい日差しを感じ俺は目を空ける。

ベッド脇で顔を覗きこむアーサーの顔。

「お早う」

挨拶の後、口付けを受ける。

俺より早く起きたらしい。彼は昨夜の事を感じさせぐらい、ピッシリと服を着ていた。

寝ぼけて、ボーっとした俺は裸のまま上半身を起こす。

独特の気だるさが残る・・・・・。

「あ、・・・おはよう」

久し振りに動かした体は、随分と筋肉が落ちていた。

「なぁ、聞きたいことがあるんだが・・・・」

「・・・なんだい?」

俺の体に聴診器を当て、脈を図る。

紙になにやら記入しているようだ。

「ノエル以外の囚人はどうなったんだ?」

「さぁ・・・、あの調子だと奴一人に全員殺されたと思うけど?・・・・気になるかい?」

小さい痛みの後、注射器から血を採られ、なにやら容器に入れる。

「ああ・・・・後、俺の部下は・・・?」

水の入ったコップと薬を目の前に置かれる。

一ヶ月ライアンとは会っていない・・・・・・殺していないことを祈ろう。

「ああ、ライアン君かぁ・・・・彼には、協力を得られなかったから・・・・」

奴は酷く困ったように言う・・・・普通の反応はそうだと思うんだが・・・・

「・・・部屋に閉じ込めて有るよ。いざって時の人質に使用と思ってたから・・」

其れが、一番俺を繋ぎ止めるのに有効と理解していたようだ。

彼の頭を撫でる。気持ち良さそうに、目を瞑る。

「俺が・・・・・話すよ・・・・・」

俺は薬を口に含み飲み干す。

「・・・護衛としてヨハネスをつけて下さいね。」

それだけを言う。

「ああ。」

そう言うと、内線を使い他の部屋にいると思われるヨハネスと連絡をとる。

程なく、彼は静かに姿を見せた。

「・・・・アーサー、良いのか?」

「仕方ないよ、問題は無い。僕はちょっと調べなきゃいけないことが有るから・・・」

頬に手を当てられ、口付けを受ける。

他の人間が居ると、恥ずかしい。

「・・・・掴まれ」

ヨハネスは手を差し出す、俺はこの状況で転んで恥はかきたくないので手を握り、寄りかかる。

俺は前を見据えて、弱々しくだが確実に歩き出した。






TOP
inserted by FC2 system